#2 Legacy side-B

桜が早くも散り始めた初春。アルバム曲解説の続きを綴ります。レコ発まであと半月程となりました。B面再生。

Soda Pop
TOURSの小さな歴史において一番古い曲。要は最初に作った曲。この曲のリフはかっこいい。ギタリストがコピーしたくなるリフを作りたいという想いがあったとかなかったとか。「Soda Pop」はソーダ水の意。ボリス・ヴィアンの小説『日々の泡』が歌詞のモチーフになっているとかいないとか。とにかくリフがかっこいい。

Strong and Wrong
スリーピースバンドとしてのスタイル以外にも違ったものをこの3人でやりたいと思い、チャレンジのつもりで生まれた曲。ジョニ・ミッチェルの同名曲(アルバム「Shine」収録)に感銘を受け、タイトルを同じにさせてもらった。その曲は戦争についての謳った曲なのだけど、自分はその近くに介在するエゴに着いてフォーカスした。傲慢さね。

時間をかけないで
同じコード進行が繰り返され、その中で曲が展開するというYOMOYAの頃からやってきた曲の作り方がある。同じ手法を使ってもそうは思えない聴こえ方と様子になるようにしたかった。結果うまくいったと思う。溝渕が弾く、前半の独特なベースラインに注目。ライブにも参加してくれるRyo Hamamotoのギターも聴きどころ。

近似値
どこか似通ったところがある者同士は、理屈抜きでなぜか惹かれあう。でもきっと理屈はある。例えば生い立ち。例えば視力。例えば健康状態。趣味や好みで、ある程度計れることのある人間関係には、本当のところ、深く掘り下げてみないと出てこない共通項がある。うんたらかんたらと考えてた。それを近似値という言葉で言い換えました。少ないながら自分が書いたものの中で5本の指に入る良い曲が書けたなと思ってます。そして谷口くんの鍵盤はキラリと光るプレイを聴かせてくれますえ。

王の船
普段は9割国外のアーティストばかり聴いてる僕ですが、この曲に関してだけは何人かの日本人アーティストの影響が出てるかもしれません。TOURSはオルタナAORと表現された事があるのですが、その所以はこの曲にあるような気がしてます。ライブでも一番最後(たまに一番最初)に演奏する事が多かった曲が、アルバムの最後も飾ってくれてます。

我ながらバラエティがあって飽きずに聴けるアルバムとなったと思います。聴き込んでもらって、4月15日に青山で会いましょう。マスクして。