#4 TOURS歴史(2017~2021(前編))

こんにちは、溝渕です。2017年~とのお題だけれども、自分がTOURSの歴史について語るには、まず、YOMOYAの山本さんとの馴れ初めと、自分がTOURSに加入することになった経緯について書かなくてはならないと思う。

時はだいぶ遡るが、おそらくは2008年の夏頃。
当時、自分はSuiseiNoboAzというバンドで熱心に活動しており、ドラムを叩いていたノリちゃんの家に週3日くらいで泊まっていた。
そのノリちゃんに、「めちゃくちゃいいバンドがいる!」ということで、CD-Rに焼かれたそのバンドの音源を貰い、初めてYOMOYAを聴いた。iPodで。1stアルバムの「YOURS OURS」。
まず、めちゃくちゃ良い声だと思った。バンドアンサンブルも独自でありつつ洗練されておりモダン、日本のインディーにこんなバンドがいるのかと衝撃を受けたことを覚えている。

少しあと、2009年だったか…この辺りはあまり記憶が無いんだけど、おそらく新宿motionだったかな。
SuiseiNoboAzでYOMOYAと初めて共演する。
楽屋にパーカーのフードをかぶった姿で飄々と入ってきた山本さんに自分が話しかけ、お互いにCITIZENのアナデジテンプ(復刻)という腕時計をしていたので、「時計かぶってますね、ハハハ。」みたいなどうでもいい会話をしたのを覚えている。
初共演前も、一方的にはYOMOYAのライブを何度か観に行っており、ベースのエータさん、キーボードの長倉さんとは既に良い仲になっていたんだが、ロックバンドのボーカル特有の取っ付きにくさを漏れなく醸していた(悪いことではないと最近は思う)この頃の山本さんとはこれが初めての会話。

その後もYOMOYAとは幾度となく共演し、お互いのバンドのリリースツアーをサポート(SuiseiNoboAzは仙台PARK SQUARE 、YOMOYAは名古屋得三だったかと)したりで、山本さんとも友人としての付き合いとなる。 *YOMOYAとフロア最前のSuiseiNoboAz。
2011年末、YOMOYAは解散。2013年に山本さんはシャムキャッツの藤村くんとTOURSを始める。
バンドが最初に作った音源「Kittens e.p.」。これがまためちゃくちゃよかった。
YOMOYAに比べるとだいぶフォークロックによった音楽性で、よりインディーでオルタナな印象を受けた。モデルとしてwilcoがあったということなので、つまり、そういうことだと思う。
そして、山本さんの声はやはり良かった。自分的にこの声は、周りの友人にはずっと言ってきているが、キリンジの堀込兄弟と並ぶ美声と思っている。 Kittens e.p.
バンドは4人体制となり、自分はこの時期のライブをめちゃくちゃ観に行ったと思う。ベースのアルガさん、キーボードの小林4000のいた4人体制が自分はとても好きだった。
山本さんの曲に対して、ドラムセットがぶっ壊れるんじゃないかというくらいぶっ叩いている藤村くんのドラムプレイも衝撃だった。
いつだったか、渋谷O-nestのライブだったと思うが、「Kittens e.p.」に収録されている「赤い車」という曲の間奏に入る部分において、藤村くんによる常軌を逸した力強いフィルインでフロアがザワついたのを今でも覚えている。
自分にとっては、この時期のTOURSが今でもTOURSって感じがするんだよなー。 *2014年末の新宿でTOURSとthe morningsが対バンした時の藤村と溝渕。
今回リリースさせていただくレーベル、COMPLEXの猪爪東風くん率いるayU tokiOとTOURSの対バンを代官山 晴れたら空に豆まいてで観たのもこの編成の時期だった。

その後、残念ながら、アルガさん、小林4000が2015年6月にTOURSから離脱。
自分はといえば、SuiseiNoboAzを2013年末に辞めており、2014年からサポートをしていたthe morningsの活動も止まり、音楽活動としてはTAMTAMのサポートのみという時期だった。
山本さんに誘われて、TOURSに加入した。
やはり、キーボードを入れたかったのでメンバーの募集もして、何人かは応募があったんだが、結果、スリーピースで一旦やってみようということになった。
その年はスタジオでの練習のみで、2016年からライブ活動を始める。
春頃に足立区にあるミュージックダンスクラブタンゴにて、エンジニアに馬場ちゃんを迎え、3人体制のTOURSでは初めての音源、「No Color Soda / Parakeet」を録音、6月にCD-Rを発売。
翌月、7月にはHOPIとの共同企画「SUMMER STIFFEN」を下北沢threeにて行うというような流れだったと思う。
ちなみに、このイベントの日から売り始めたTOURSの新色t-shirtは、山本さんの発注ミスにより、まさかのdry素材であり、当日届いたそれを見た自分と藤村くんは膝から崩れ落ちた。cuteな男、山本。
t-shirtは、HOPIのジュンヤ君が買ってくれた。

2016年までのTOURSの活動については、藤村くんのコラムの通り。 *「No Color Soda / Parakeet」ジャケ。

ということで、後半に続く。