#4 TOURS歴史(2017~2021(後編))

こんにちは、溝渕です。後半です。
さて、今回自分に与えられたお題、2017年~のTOURS。
元々5人組のバンドだったものが4人、そして、3人と編成がミニマルになっていったわけで、3人で成り立たせる為にはどうすれば良いか、楽器の出音など、工夫を重ねていた時期のように思う。
その一方で、山本さんの書く曲や声には、やはり装飾が必要だと感じていた。
その感じは結局、最初から3人ともずっとあったわけで、ある日、藤村くんが、Gellersのリハに手伝いで入ったとかで、ex.森は生きているのキーボードの谷口くんと知り合ったので、スタジオに誘ってみようという流れになった。
その流れのまま、谷口くんがライブを一緒にやってくれることになり、2017年のTOURSのライブの楽器編成としては、TOURS+谷ぴょんということになった。
この編成で、代官山晴れ豆、東高円寺UFO CLUBや下北沢threeなどでライブをしたと思う。 *下北沢threeにて。TOURS+谷ぴょん。
谷ぴょんの演奏は、我々TOURS3人の、良く言えばオルタナティブな演奏をふんわりと優しく包み込んでくれるものだった。
具体的に言うと常套な感じをとてもいい具合に足してくれる。これは今回のアルバム「LEGACY」を聴いてもらえればよくわかると思う。
素晴らしいキーボーディスト。
この編成で最後にライブをしたのは、確か、2018年3月、自分が新たに参加して始めたTHE RATELというバンドの初ライブにして、初企画の渋谷7th floorだったと記憶している。

少し時が戻り、2017年の後半あたりだったかな、シャムキャッツの活動が多忙になった為、藤村くんがTOURSへの参加がなかなかに難しい状況となる。
シャムキャッツは精力的に活動しており、これから更に忙しくなっていくことが容易に想像出来た為、今までTOURSで作ってきた曲でアルバムだけでも作ろうという話になった。
というか、自分と山本さんがそのように希望した感じだったように記憶している。
バンド編成はTOURS+谷ぴょん、レコーディングエンジニアには、過去に音楽レーベルの7e.p.の録音部門、また、O-nestで主に活動していたMr. fingersというバンド(とてもカッコいいバンドだった)に所属していた多田聖樹さんを迎え録音を開始する。
多田さんには、一度、SuiseiNoboAzのコンピ用の「tokimekinishisu」という曲の録音をしてもらったこともあり、個人的にも面識があった。

レコーディングに関して。
ここからが死ぬほど長い。山場は特に無く長い。今回のアルバムに収録されている、「parakeet」の歌詞に、「巨大な迷路 僕だけ出られない」という一節があるのだけど、まさにそんな感じ。自分と山本さんだけが、2018年2月で時が止まり、完成するまでは何処にもいけない。そんな感じが完成を前にして最終的に呈してきた様相であった。
そういった意味でも今回のアルバム「LEGACY」は個人的にグッと来るものがある。

2018年2月12日~14日の3日間で、川崎の田園都市線高津駅にあるレコーディングスタジオ
Studio Happinessでバンドのベーシックを録り終え、その年の終わりくらいまで、京急本線の弘明寺駅にある多田さんの元自宅、代々木、渋谷、経堂のリハスタで、録りこぼしたギター、ボーカル、パーカッション、ゲストの方々(星野ゆりさん、Ryo Hamamotoさん、中山洋平 a.k.a 洋ちゃん)のギター、コーラスなどを多田さんに各所でお付き合いいただき録音した。
2018年の手帳を見返したら、12月14日に渋谷でボーカルの録音とあった。長い。多分、録りとしてはこの日が最後だったのではなかろうか。記憶が定かではないが。 *山本ボーカル録り。弘明寺の旧多田邸スタジオにて。
年が明けて2019年、この年はアルバムのミックスとサポートミュージシャンを入れてのライブ活動の年だったと思う。
ミックスは岩谷啓士郎(KC)さんにお願いした。
音の方向性としては、アルバム作成に取り掛かるあたりにバンド内でよく聴いていた、The War on Drugsを参考にしようという話があった気がする。
この年の夏は、個人的に韓国旅行をしており、旅行先のソウルの電車内で、山本さんとミックスについてのやり取りをLINEでしたのを覚えている。どうでも良いことかもしれないが、何だか妙にこの時の記憶が鮮明にある。旅行が楽しかったからなのか?

ライブのサポートをしていただいたのは、ドラム徳山大輔くん(カミアワズ、ex. 夕暮レトロニカ)、キーボードカメダタクくん(オワリカラ)。2人とも最高の人物である。
この編成では、LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSの赤倉くんに誘っていただいた、幡ヶ谷forest limitから、現SuiseiNoboAzのベースの河野さんが店長を務める吉祥寺nepoに誘っていただき、何度かライブを重ねてバンドとしての手応えも感じた年だった気がする。
サポートのお二人にはホントに感謝をしている。ホントにありがとう。 *サポートのお2人と。
とはいえ、完成しないアルバム、レコーディングメンバーとライブメンバーの違いなど、諸々あり、新しいところに進むことはできなかった。
更に、2020年にコロナ禍が訪れた為、緊急事態宣言直前に予定していた3月に決まっていたライブもキャンセルとなり、それ以降、ライブは行っていない。

緊急事態宣言は解除されるも、マスク必須の生活は続いていく。コロナ禍という外出自粛の状況に反比例するようにミックスのやり取りは加速していき(みんな時間ができた)、8月にミックスが完成した。そのままの流れで、KCさんにお願いしたマスタリングが完了したのが昨年2020年の10月8日。
正直、完成しないかと思った。マジで危なかった。
途中、何度か気を失い、その度に奮起し持ち直すといった日々だったように思う。
付き合っていただいた、多田さん、KCさん、本当にありがとうございました。

作品としては、以前は、色濃くあったフォーク味は少し薄れたという気はする。ベースのせいか?アレンジメントの根幹に3ピースがあるからなのか。個人的に、どことなく、微かなDinosaur Jr.感を感じるんだが、どうだろうか。いろんな曲があって、バンドのファーストアルバムっぽい感じをだいぶ醸しており、そこが自分はとても気に入っている。
まぁファーストアルバムなんだが。
演奏としても、良い歳した3人ではあるが、初期衝動的なものをなんか感じれて良いんだよなー。
これだけ時間をかけるともはや客観的に聴けてしまう。

リリースに関して。
音源完成後、アユくん主催のCOMPLEXからカセットテープでリリースさせていただくことになり、アユくんに聖蹟桜ヶ丘で撮っていただいたアー写、グラフィックデザイナーの脇田あすかさんにお願いしたサブスク用のジャケ、カセットテープのデザイン、全てが最高にcoolな状態。
個人的には、ここでもう満足した。
そして、谷ぴょん、ハマモトさんを迎えて入ったリハーサルも激アツな感じだったので、あとはもう4月15日(木)に青山月見ル君想フにて催すリリースパーティーで待ってますという精神性です。 *昨年12月11日、聖蹟桜ヶ丘にてアー写撮影。オフショット。

紆余曲折を経た何かが見れると思いますので、感染対策しつつの皆さまのお越しをお待ちしております。