#6 カセットの想い出(後編)

小4から進学塾に通い出した僕はJPOP(やテレビ)に触れる機会が比較的少ないまま中学校へ進学するのだった。小学校の時買ったCDはスピッツ「インディゴ地平線」、Kinki Kids「硝子の少年」、サザン「愛の言霊」と「エキセントリック少年ボーイのテーマ」の4枚だけだったと思う。

受験が終わり浦安から東京の中学校に進学することになると、友人の影響や英語の先生が勧めていたのもありビートルズやクラプトン等の洋楽を聞いたり、当時沢山やっていた歌番組の影響でそれまであまり聞いてこなかったJ-POPや歌謡曲を雑多にTSUTAYAで借りるようになる。
一人京葉線に乗り、新木場から暗い有楽町線に乗り換えて合計1時間弱の通学路には音楽がとても重要なものだった。

家にはCDラジカセしかなかったので入学祝いということで近所のダイエーの電気屋でaiwa製のカセットテープウォークマンを買ってもらう。本当は当時もう既に出ていたMDウォークマンがほしかったのだが、
MDウォークマンを買う=追加でMDコンポも買わなければならない
となりそれは相当な金額となるので、とりあえずの凌ぎと言うことでのカセットテープウォークマンだったような。

そうして僕は学校帰りにTSUTAYAに行ってはシングルやアルバムを当日料金で借りたり、3枚500円の中古シングルCDを買ったりして電車の中で聞く音楽のテープ作りを楽しむようになったのだった。
当時のカセットテープは”maxell”や”TDK”などちょっと近未来的チックなブランド名やデザインで、テープコーナーにその小さな長方形が並んでいる感じもなんだかワクワクしたし、包装を剥がすと中から透明の箱が現れ、その箱を開けると更にスケルトンだったり色付きだったりと様々なカラーがあってテープの愉しみの一つであると思う。

ある時いつもよりお金を持っていたのか、カセットテープコーナーで気になっていた1本500円くらいする「メタルテープ」というのを衝動で買ってみたのだった。

そこから何を入れようか考えにTSUTAYAに赴くと、あるアルバムが「キラッ」と光っていたのだった。
それが

B’z The Best “Treasure”

であった。

なんとなくメタルテープへの親和性が抜群そうな銀色のジャケに惹かれてレンタルし、ダビングしたのをウォークマンに入れて部屋の中で爆音でイヤホンで聞いたのを覚えている。

その時流れた1曲目”BLOWIN’”のバッキバキのサウンドに体中に電流が走った事を今でも覚えている。「メタルすげー!!!」と思った笑
おそらく自分がドラムをやりだしたきっかけの一つがBLOWIN’のイントロだと思う笑

その後9月の誕生日にMDコンポを買ってもらい、翌年の正月に頂いたお年玉でMDウォークマンを買った事で完全にカセットテープ短い役割は終わった気がする。
しかしながらテープは音楽を聞き出したときのデバイスだったので、強烈な記憶が残っているなぁ。


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そんなこんなでテープについての思い出をざっとお話させていただきましたが、この場を借りてひとつご報告がございます。


私藤村はTOURSを完全に脱退させていただく事といたしました。

今回”Legacy”と言うアルバムが完成に向かい東風君のレーベルからリリースされる。と言うことを昨年秋頃に聞きTOURS三人で久しぶりに集まって今後どうするべきかと話し合いました。
アルバムは全曲自分が叩いているのもありリリースライブには出演したい気持ちがあったので先日のライブを組ませていただきました。
その後、今後のTOURSの音楽の方向性やそれに伴うスタジオワークについての山本さんの意思を聞き、自身がドラマーとしてプレイしたい音楽性との相違がある事と、何より今大事なレーベル運営に充てる時間を鑑みてこの決断をさせていただきました。

TOURSで過ごしてきた時間や出会いには貴重なものが沢山ありました。今後ともTOURSと言うバンドを何卒宜しくお願いいたします。

”Legacy”のカセット、限定本数なので是非買ってください!笑